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特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とは
ITPとは血小板が減少する病気
“とくはつせい・けっしょうばん・げんしょうせい・しはんびょう”。
難しい病名を聞いて、驚かれたかもしれません。とても長い名前なので、ここではITP(アイ・ティー・ピー)と呼びます。
ITPは、血液の成分のうち血小板と呼ばれる細胞が減る病気で、国の難病に指定されています。
“特発性”というのは、原因がわからない場合につけられます。しかし、原因が"免疫異常"とわかってきたことから、"免疫性血小板減少症"という病名に置きかえられつつあります。
また、この病気になると出血しやすくなり、内出血による紫色の斑点(あざ)を認めやすくなるのも特徴です。
[参考]
・難病情報センター 特発性血小板減少性紫斑病(指定難病63)
(https://www.nanbyou.or.jp/entry/157)2024年11月12日アクセス
・柏木浩和, 他. 臨床血液 2023; 64: 1245-1257
(成人免疫性血小板減少性症診断参照ガイド 2023年版)
成人は持続性・慢性の患者さんが多く、小児は自然に治ることが多い
ITPは発症からの期間によって新規診断(発症後3ヵ月未満)、持続性(発症後3ヵ月以上~12ヵ月未満)、慢性(発症後12ヵ月以上)に分類されます。
成人は持続性・慢性の患者さんが多く、6ヵ月以上血小板の減少が続きます。
一方、小児ではウイルス感染や予防接種などがきっかけで突然起こり自然治癒することが多いのですが、慢性に移行する患者さんもいます。
日本国内のITP患者さんは約2万5千人で、毎年新たに3,000人ほどが発症します。
成人 | 小児 | |
---|---|---|
起こりやすい 年齢・性別 |
・20~30歳代の女性 ・60歳以上の女性、男性 |
・0~7歳(若干男児が多い) ・慢性化は10~11歳以上に多い |
経過 | ・持続性・慢性が多い。 ・症状がない場合もある。 |
・急激に発症し数週から数ヵ月の経過を経て、 自然治癒することが多い。 ・一部は慢性に移行する。 |
[参考]
・難病情報センター 特発性血小板減少性紫斑病(指定難病63)
(https://www.nanbyou.or.jp/entry/157)2024年11月12日アクセス
・小児慢性特定疾病情報センター 免疫性血小板減少性紫斑病
(https://www.shouman.jp/disease/details/09_13_023/)2024年11月12日アクセス
・冨山佳昭. 最新ガイドライン準拠 血液疾患 診断・治療指針. 中山書店, 2015, 498-504p
・柏木浩和, 他. 臨床血液 2019; 60: 877-896
(成人特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド2019 改訂版)
・日本小児血液・がん学会 監: 小児免疫性血小板減少症診療ガイドライン2022年版.
診断と治療社, 2022, 1-37, 52-56p