知っておきたいITPのこと
知っておきたいITPのこと

慢性ITPの治療

血小板数3万/μL以上で出血がない状態を目指します

血小板数が3万/μL未満になると出血が起こりやすくなりますので、治療では、血小板数3万/μL以上で出血がない状態を目指します。

血小板数が3万/μL以上で出血のない、または少ない方は、特別な治療はせずに注意深く経過をみていきます。

小児の患者さんでは、血小板数に関わらず注意深く経過をみていきます。患者さんやご家族の日常生活に影響がある場合や、出血の程度によって治療を検討します。

慢性ITPの治療

治療方法 特徴・治療内容
ヘリコバクター・
ピロリ菌の除菌
  • 成人の患者さんではITPの診断後、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているかどうかを確認し、陽性の場合は除菌を行う
副腎皮質 ・
ステロイド療法
  • 血小板を壊す抗体の産生やマクロファージによる血小板の破壊を抑える
免疫グロブリン療法
  • マクロファージによる血小板の破壊を抑える目的で行われる
トロンボポエチン
受容体作動薬
  • 血小板を作る巨核球を増やして成熟させる
抗CD20
モノクローナル抗体
  • Bリンパ球に作用して抗体を減らすことにより、血小板減少を抑える
脾臓摘出
  • 脾臓の摘出により血小板が壊されなくなる

患者さんの状態などによって治療をお休みしたり、中止することが あります。

[参考]

・難病情報センター 特発性血小板減少性紫斑病(指定難病63)

https://www.nanbyou.or.jp/entry/157)2024年11月12日アクセス

・柏木浩和, 他. 臨床血液 2019; 60: 877-896

(成人特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド2019 改訂版)

・日本小児血液・がん学会 監: 小児免疫性血小板減少症診療ガイドライン2022年版.

 診断と治療社, 2022, 1-37, 52-56p